龍神様との恋愛事情!
「お母さん!おばあちゃんがいない!」
大声を上げたらお母さんが駆けてきた。
「え!?嘘!?そんな、いつの間に!?」
誰もいない部屋を見て、呆気にとられる。
「絶対外に出たんだよ!お父さん起こして探しに行く?」
慌てる私にお母さんが落ち着いた表情で頷いた。
「そうね。とりあえず沙織はお父さんを起こしといて。お母さんは庭を見てくるから」
「わかった」
それからは不安と緊張の始まりだった。
お父さんを起こして三人で無駄に広々とした庭を探したけど、おばあちゃんは見つからず。
お父さんが近所に探しに出かけ、私とお母さんは家で待機。
「このまま見つからなかったら、警察に連絡するわ」
真夜中だから、発見しづらい。
人手は多い方がいい。
お母さんの決断は最善だと思った。