龍神様との恋愛事情!
俯いて深々と謝ったら、強引に肩を掴まれて揺さぶられた。
「俺の何がいけないんだ!?桜のことは昔から知ってるし、よくわかってるつもりだ!それに、俺は次期村長だ。一緒に村を守っていこう?お前、この村が好きだろう?」
確かに、この村が好き。
山に囲まれて、田んぼや畑があって、優しい龍神様もいらっしゃる。
村の人達も、みんな気さくで仲が良い。
彼と夫婦になることは、村にとっても私にとっても良いことなのかも。
だけど…。
――桜、俺を見ろ
頭の中に白龍様の姿がよぎった。
彼の声に呪縛された私の心。
あなたしか、見れません――。
「確かに、村への思いは強い。けど…やっぱり無理みたい。本当にごめんなさい…」