龍神様との恋愛事情!
「そんなっ…」
「ごめんなさい…」
「っ~桜!!」
「ひゃ!?何するの!?やめて!」
押し倒されそうになった。
いきなりのことに驚きながら、両腕で彼を押し返し抵抗する。
「やぁ!!」
隙を見て平手打ちをしようと手を上げたけど、簡単に腕を掴まれた。
動きが封じられる。
どうこの場を乗り切ろうか必死で考えていると、訝しげに眉をひそめる相手の表情が視界に入った。
「桜、なんだ?この痣。白く光ってる…」
曝された左腕。
白く光る龍の鱗。
「み、見ないで!」
私は勢い良く彼の胸を押すと一目散に駆け出した。
「桜ぁ~!!」
呼ばれたけれど、振り返らない。
私は降龍神社まで脇目も振らずに走った。