龍神様との恋愛事情!
ケータイを片手に山道を進む。
明かりが少ないから、足元は常にケータイで照らしてた。
「はぁ、はぁ」
ちんたら歩いて三十分の距離を全力疾走。
途中に上り坂があるから辛かったけど、私は足を止めはしなかった。
早く…早く神社へ!
牛舎を通り過ぎて下り道。
桜川に出る頃には、冬だというのに全身汗だくだった。
「もう……少しっ」
降龍神社まで後わずか。
私はついにケータイをしまって必死で駆けた。
「つ、いた…」
息切れが激しい。
喉がカラカラで苦しい。
けど、今はそれどころじゃない。
「はぁ、はぁ…ち、はぁ…やさ、まっ」
神社の社殿の前で私はしゃがみ込んだ。
「はぁ…ちは、や…はぁ、さま」