龍神様との恋愛事情!
千早様。
いらっしゃいますか?
お願いがあります。
おばあちゃんを…助けて下さい。
「はぁ…はぁ…」
言いたいことが言葉にならなかった。
息切れのせいもあるけど、自己嫌悪が最大の理由だ。
「ふっ…くぅ…っ」
私はしゃがみ込んだまま、声を押し殺して泣いた。
情けない。
情けない情けない情けない…!!
「わ…たし…っ」
その時だった。
「沙織!?」
彼の声が遠くから聞こえた。
「………千、早…様?」
「やはり沙織か!どうしたんだい!こんな時刻になぜここへ!?」
千早様は山の方から飛んで来た。
目の前で着地すると、私に合わせてしゃがみ込む。
「どうしたんだい?なぜ泣いている」