龍神様との恋愛事情!
遥か昔の記憶から今に戻ってきたのは、もう夜もかなり更けた時間帯だった。
布団に横たわっていた身体を静かに起こす。
開けられた窓から見える、明るい星空の輝き。
今は雪が止んでいる。
綺麗…。
「目覚めたか」
すぐ傍で聞こえた大好きな声。
そう――大好きな…。
「い…ぶき…さま」
いつの間にか私の隣に伊吹様がいた。
「………桜」
「……っ!」
その名前を呼ばれたら、私は…!
あなたへの思いを…抑えられなくなる!
「伊吹様ぁあ!!」
私はボロボロと泣きながら伊吹様に抱き着いた。
「怖かった!怖かったのっ!!」
「……すまなかった」
伊吹様の大きな手が頭を撫でてくれる。
「でも、伊吹様が絶対助けてくれるって、信じて…信じて、ずっと…!」