龍神様との恋愛事情!
どういうこと?
千早様は私の名前を連呼して泣いてる。
私ならここにいるのに、どうして絶望を目にしたような表情で震えているんですか…?
私が千早様の肩にそっと手を伸ばした時だった。
「沙織の気が消えた!沙織はどこだっ!!」
殺気立った伊吹様が風に乗ってやって来た。
「黄龍!沙織は――」
続けようとして、伊吹様は固まった。
千早様が抱きしめている「誰か」に視線が釘付けだ。
「沙、織…?」
動揺する伊吹様。
私も同じくらい動揺した。
だって、千早様が抱きしめているのは、紛れも無く「私」の身体だったから。
「すまん、伊吹。沙織は……死んだ」
シトリ様が衝撃的な言葉を口にした。
え……?
沙織は、死んだ…?
……私が、死んだ…?