龍神様との恋愛事情!
あれが私だというのなら、ここにいる私は何?
意識があって、千早様や伊吹様達を見ている私は……なんなの?
………もしかして、あれですか?
俗にいう幽霊!な~んて…………うん。
否定できないかも。
実際に千早様達は私のこと見えてないみたいだし、声も届かない。
というか、私死んじゃったんだよね?
ならこれから天国行きになるのかな?
でも、こうやって幽霊よろしく浮遊してるってことは……私、成仏できずにこの世をさ迷っちゃうの!?
い、嫌だよ!そんなの!
死んじゃってるなら、ちゃんと天国行きたいよ!
それに……こんな悲しみに沈んでる千早様達を見ていたくない…。
お願い、泣かないで下さい。
千早様、私はここにいるんですよ…?
私は膝をついてうなだれる千早様の背中に抱き着いた。
「私はここです…!どうか、気づいて下さい!千早様っ!!」
けれど、千早様や伊吹様が私を見てくれることはなかった。
それからすぐ、私の身体は下の階へ運ばれていき、二階からは朱美ちゃんの悲鳴やおばあちゃんの啜り泣く声が聞こえてきた。