龍神様との恋愛事情!
「君の名前は?書いてみて」
そう言って、彼は私にポンと小石を渡した。
「書くな。不審者に名前を教える必要はない」
龍矢くんが千早さんのことをきつく睨みつけてるけど……。
「龍矢くんてば…名前くらい、大丈夫だよ」
せっかく名乗ってくれたんだから、こっちも名前を言わないとフェアじゃない。
全く…。
変なところで心配性だよね、龍矢くんは。
「こうです。さやか…」
私はガリガリと地面に「清華」と書いた。
「さや、か…清華か。また良い名前をもらったね。綺麗な響きだ」
甘い声で囁かれ、無意識に心臓がドキリと鳴ってしまう。
「清華、よく聞いてほしい」
急に真剣な眼差しになった彼はとんでもないことを告げた。
「私は龍神なんだ」
「え……?」
龍神…?
それって、龍の神様ってこと?
「り、龍神!?神様!?」
「そうだよ。いきなりこんな話、すまないね。混乱するだろうけれど…私は今すごく興奮していて……言わずにはいられないんだ」