龍神様との恋愛事情!
「なんと言われようと、沙織は連れていく。邪魔立てするな」
白龍様の声も低くなった。
お互い睨み合って、すごく怖い…。
空気が張り詰めてる。
「白龍のイブキよ。貴様、五龍の長(おさ)である黄龍の千早に逆らう気か」
え……?
千早様の雰囲気が…明らかに変わった。
「この私がその娘を置いて去れと言ったのだ。貴様にそれ以外の選択肢はないと知れっ!!」
その瞬間、突如落雷が降ってきた。
「ひゃあっ!」
ビシャーン!!というひどい破壊音が神社に響く。
それもそのはず、雷が落ちた場所は池の近くの木。
黒焦げになった木を見つめ、私は呆然となった。
今のは…千早様が…?
「さあ、沙織をこちらに渡せ」
千早様が一歩一歩、ゆっくりと近づいてくる。