龍神様との恋愛事情!
「………ちっ」
白龍様はまた舌打ちをした。
それから、しぶしぶ私の身体を千早様の方へ差し出す。
「ふ…それで良い」
千早様が私を抱いて受け止めた。
「貴様にもう用はない。去れ」
千早様の冷たい視線が白龍様を射抜く。
すると白龍様は素早く池に飛び込んで、それきり姿を現さなかった。
本当に龍の世界と繋がってるんだ…。
池から上がって来ないということは、つまりそういうことで…。
「沙織…」
ビクッ!
と私の肩が震えた。
「沙織、どういうことだい?説明できるかな?」
私は呼ばれても顔を上げられずにいた。
だって、声が低いんだもん。
絶対、怒ってる。
私が固まっていると…。
「沙織、とりあえず上着を着ることから始めようか」