腕枕で眠らせて*eternal season*
私はきっととても欲張り。
貴方の笑顔が大好きだから
貴方をもっと幸せにしたくてたまらなくなる。
貴方との愛の末に生まれた子供だから
花海と光月が愛しくて愛しくて仕方がない。
貴方ともっともっと生きていきたいから
私は貴方の妻で、家族であり続ける。
とても欲張りで。そしてとても純粋に、私は想い続ける。
好きだよ、紗和己さん。
ただ、ひとつの想い。
けれどきっと、永遠に。
―――6月。
8回目の結婚記念日のお祝いに、家族で旅行へとやってきた。
場所は、豊かな自然に囲まれた硝子美術館。
紗和己さんが私にプロポーズをした所だ。
「うわー!スゴい!キラキラだ!!」
「キラキラだー!キラキラのお部屋だー!」
「良かった。まだクリスタル硝子のホール残ってたんだ」
9年ぶりにやって来た硝子美術館には、あの時と変わらないクリスタル硝子のカーテンで覆われたホールが今も光を眩く煌めかせていた。
「変わってないね。あの時と同じ夢みたいに綺麗」
キラキラ。キラキラと。
虹色に瞬くことを止めない硝子のオブジェは、まるで私の恋心。
「パパはここでママにプロポーズしたの?」
おしゃまな花海の質問に、紗和己さんが目を細めて頷く。
「ロマンチック!花も大きくなったらここでプロポーズしてもらう!」
「月も!月もしてもらう!!」
子供たちの無邪気な夢に、紗和己さんと一緒にたまらなく幸せな気持ちで笑った。
虹色の煌めきに囲まれて楽しそうな子供たちを眺めながら、隣に立つ紗和己さんが私の手をキュッと握る。
「愛してます、美織さん。あの時となにひとつ変わらず」
幸せと恋心を瞳に湛えて微笑む彼に、私も同じ色の眼差しで返す。
「私もだよ。紗和己さん」
その答えに嬉しそうに口角を上げて、紗和己さんは握った手に優しいキスを落とした。
「これからも、末永くよろしくお願いします」
「こちらこそ」
ふたり、クスクスと笑いながら見つめ合う。
永遠に変わらない煌めきの中
これからも共に歩むことを誓い合いながら。
*+:。.。:+* ゚終わり *+:。.。:+*