腕枕で眠らせて*eternal season*
美織さんの紡ぐサンキャッチャーは少し独特だ。
デザインもだけど、光の映し方が他の物よりどこか柔らかい気がする。
それは見る人を癒し魅了し、僕も彼女の硝子の虜となった。
実は僕は、美織さんがサンキャッチャーを作っているところを見るのがとても好きだ。
真剣に硝子と向き合う彼女の横顔は職人のそれで凛々しく美しい。
と同時に、白く華奢な手が光の硝子を紡いでいく姿はとても幻想的で…そこは、僕には決して入り込めない空間のような気がした。
こんな言い方をしたら、きっとロマンチストだとまた笑われてしまうだろう。
けれど、僕には硝子を紡ぐ美織さんは何だかこの汚れた世界の住人には思えなくて。
芸術的なセンスと彼女自信が持ち合わせる雰囲気がそうさせているのだろう、そんな姿に時々僕はこの手が届かなくなりそうで怖くなる。
決して僕には作れないだろう、光の硝子のオブジェ。
僕は知りたい。
光を自在に紡ぐ貴女の瞳に、世界はどう映っているのか。
どんな呼吸をして、どんな音を聴いて、硝子に命を吹き込んでいるのか。
僕は、知りたくてたまらない。