腕枕で眠らせて*eternal season*
穏やかで静かな夜。
僕の腕枕で寝息をたてる美織さんの寝顔を眺めながら、甘い思考にたゆたう。
―――結婚式のとき。
『健やかなるときも、病めるときも
喜びのときも、悲しみのときも
これを愛しこれを敬い
その命ある限り
真心を尽くすことを誓いますか』
そう僕らは愛の誓いを交わした。
けど。
そんな神聖な誓いさえも、ワガママな僕にしてみたら足りないと思えてしまう。
……我ながらロマンチストが過ぎるので、絶対口には出せないけれど。
「…美織さん。僕はね…生まれ変わってもまた貴女と恋をするつもりですよ」
吐息のような声で、眠る彼女にそっと告げてみた。
例えいつの日か死がふたりを別とうとも、僕は貴女に恋することを止めない。
生まれ変わりなんて、ロマンチストの妄想だとしても、僕は願う。
「好きです、美織さん」
この想いよ永遠に、と。
【another story(3)】
―end―