腕枕で眠らせて*eternal season*
どこか、違う部屋に入ったと分かったのは、閉じた瞼の裏が急に明るくなったから。
その変化に気付いた時、手を引いていた彼の足が止まり、私も慌てて足を止めた。
「まだです。……もう少し目を閉じてて下さい」
言われるがままに、少し不安な思いを抱えて目を閉じたまま立ち尽くす。
やがて。
ある感触に、私の頭が一瞬真っ白になる。
……これ、って………………?
そっと握られていた左手の薬指に
何かが通される感覚がした。
「目を……開けて下さい」
―――その時見た光景を、その瞬間に瞳に映った全てを。
私の胸は、ときめきと一緒に、永遠に忘れないと思う。
キラキラ、キラキラ。
光が音のように降ってくる空間。
クリスタル硝子を連ねて作られた煌めきのカーテンが小さなホールを覆い、虹色の光で埋め尽くす。
幻想的で目映くて、まばたきも出来ない。
そして、煌めきの空間の中央に立つ私たち。
まっすぐに見つめる紗和己さんの瞳に映る私の薬指には
踊る光に囲まれてなお一層誇らしい輝きを見せる……ピンクダイヤの付いた指輪が填められていた。