腕枕で眠らせて*eternal season*



*あとがき*



この度は【腕枕で眠らせて*eternal season*】をお読み頂きありがとうございます。


前作に続き、とっても長い付き合いになりました美織と紗和己の物語も、これで一旦終止符となります。

うーん。書き終えて、本当に長く濃い付き合いだったなあと、しみじみ実感中。


前作【腕枕で眠らせて】がこの度、書籍化させて頂いた事で、私は美織と紗和己を始めとする登場人物達ともう一度こんこんと向き合う事になりまして。

そうした作業とほぼ同時期でやってきたこの【eternal season】の連載。

私はいったいどれだけ彼女とたちと対話してきたんだろう、と、なんだかボーゼンとしてしまいます(笑)。


ここまでドップリと【腕枕~】ワールドに長く漬かってきた日々を考えると、この連載を終えた事で【腕枕~】ロスになってしまうんではないかとちょっとビクビクです(^^;


さて、そんな向き合いに向き合い続けたキャラクター達。最後なのでちょっと語ってみたいと思います。今回、本編とanother storyで視点を持った4人をピックアップ。



端柴楷斗

せっかくのanother storyで株を落としたでも無いような気がするこの人(^^;

楷斗は悪い人では無いと思うんです。ただ自分のものさしでしか物事を見れないだけで。何をやっても『俺なりに』が頭に着いちゃう人ですね。
だから、美織のことも本当に愛してたんです『楷斗なりに』。

けど『俺なりに』じゃダメなんだって、彼も痛いほど学んだから、きっと次の恋は上手くいくと思います。

もっとも、彼が真剣に恋をするのは、きっともっと後の事でしょうけど。



玉城夏々

一途で努力家な玉城さん。もしかしたら彼女に共感された読者さんもいるんじゃないかなーと思ってます。

叶わぬ恋を捨てきれず切ない片想いの玉城さん。案外、彼女を優しい鎖から解き放ってくれるのは年下の男性だっりするんじゃないかと考えています。

【pauze】のアルバイトに来た大学生とか、取引先の営業マンとか。頭いいけどズケズケ言っちゃうタイプで、彼女の紗和己への恋心を見抜いて『玉城さんて不毛な恋してますねー』とか言っちゃうの。そんで玉城さん泣いてぶちギレ。『あんたに何が分かるの!』って。

それぐらい強く彼女の心に踏み込んで行かなきゃ、優しく見えて強固な鎖は解けないかと。でも、その年下男子は多分紗和己とは仲イイです。経営の手腕に長けてる紗和己を尊敬してる。だからこそ、不毛な恋をしてる玉城を放っとけないっていうね。


おっと。妄想がノリノリに(汗)。
玉城さんみたいなヒロインは書いたことが無いので、是非書いてみたいエピソードではありますがf(^^;

まあきっと、玉城さんは遠くないうちに幸せになれそうな気がします。



水嶋紗和己

紗和己さん。【eternal~】では前半はデレが激しく、後半は珍しく感情を露にしたシーンが多かったです。

というのも、今回は紗和己のキャラに深みをもたせたくて、色々な彼の側面を描いたつもりでした。

紗和己は実にハイスペックな男ですけど、完全無欠の超人にはしたくないと言うのが、書き手である私の思いです。

紗和己だって感情を抑えきれない時もあるし、無自覚に悪いところもある。そういった人間くさい所が、彼にリアリティを与え、体温を感じさせるキャラになるといいなと思いながら描きました。

理想をいっぱい詰め込んでも『どこかにいそう』と読んだ方に思って頂けたら、書きとしてとっても嬉しく思います。



水嶋美織

【腕枕~】シリーズは、ずっと美織の一人称で綴ってきた物語ですが、段々と文体や表現が優しくなっていった事にお気付きでしょうか。

性格上、紗和己には攻撃的な言葉を使わせないように気を付けているのですが、そんな紗和己の柔らかさが美織にもうつっていった、と云うイメージなのです。

尤も、美織はもともと優しくてホンワカした娘ですが、【腕枕~】の最初では傷付いて自分の殻に閉じ籠ってたせいで荒んでますから(^^;

物語がすすんで、幸せになればなるほど美織はホワホワしていきます。そんな美織がますます可愛くて紗和己が美織を愛すると、彼女はますますホワホワしていくと云う(笑)。幸せの永久機関ですね(笑)。

美織、大好きです。彼女が【腕枕~】シリーズのヒロインで本当に良かった。



と云うわけで、結婚というテーマで綴った【eternal season】。とっても幸せな美織と紗和己を描けて心から満足です。

結婚や家庭については人によって様々な考えがあると思いますが、当作品は『とある一組の夫婦の物語』として捉え、「こんな結婚も面白いかもね」と楽しんで頂けたなら幸いに思います。


さて、あとがきも長々となってしまいましたが(^^;)最後にご挨拶を。


この物語を読んで下さった皆様に、感想、簡単感想等下さった皆様に、様々な場所で応援して下さった皆様に、そして、美織と紗和己を好きになって下さった皆様に。

心から感謝を込めてお礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。


なお、これを書いているのは1/9でして、明日はいよいよ【腕枕で眠らせて】の書籍発売となります。ドキドキ。

宜しかったら、書籍版の美織と紗和己にも会ってやって頂けると嬉しいです(*^^*)

表紙のふたりがとーーってもステキなので、是非そこだけでもご覧ください(笑)。


それでは。また何かの作品で皆様にお会いできる日を願って。

本当にどうもありがとうございました。


2014.01.09 桃城 猫緒

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