腕枕で眠らせて*eternal season*
―――優しくてステキなあの人は
賑やかでしっかりモノのお母さんとお姉さんへの労りと愛情、それに
穏やかな大黒柱のお父さんへの憧れで、出来ていました。
……それから。
「おじちゃん、帰っちゃヤダーー!!」
「また来て!絶対だよ!!うちにも泊まりに来てねおじちゃん!」
「Spielt auch!Ich verspreche!(また遊んで!約束だよ!)」
「…子供たち、号泣だよ。紗和己さん、すっごい好かれてるね」
玄関先で見送ってくれる家族と、泣きながら手を振る子供たちに、眉尻を下げながら手を振り返す紗和己さんに、感嘆を籠めて言ってみた。
「いつも別れ際はこうなんですよ。慕って貰えるのは嬉しいけど、ちょっと切なくなっちゃいますね」
そう答えた紗和己さんの表情も、ちょっと切なそう。
「…紗和己さんて、本当に子供が好きなんだね」
―――
私がお義母さん達からたっぷり昔話を聞き終えた頃、まだまだ遊び足りない子供たちにベッタリと絡まれながら紗和己さんは戻ってきた。
『すみません美織さん、席外しちゃって。子供たち、なかなか離してくれなくて』
申し訳なさそうに言った紗和己さんの右腕には、一番小さい杏ちゃんがしっかり抱かれ、背中には涼くんが、左腕にはマルクくんがぶら下がっていた。
その姿に、私は思いっきり吹き出す。
「あははっ、紗和己さんすごい!3人も抱えて重くないの?」
同じように彼の姿を見て可笑しそうに笑ったユカちゃんが、子供たちを離しながら私に向かって言った。
「ね、美織ちゃん。実の姉がこんな風に言うのもなんだけどさ、紗和己はいい夫で父親になると思うよ」
…って。