腕枕で眠らせて*eternal season*
穏やかな春も
情熱の夏も
切ない秋も
静寂の冬も
私の心は虹色の硝子のように
恋にきらめく事を止めない。
紗和己さん
貴方と云う光を映して
永遠に。
6月7日。
晴天。
夏を間近に控えた爽青の空に、太陽が鮮やかに煌めく。
キラ、キラ、キラ。
音をたてそうなほど眩い光がステンドグラスを通し優しく射し込んで私を映し出してる。
クリスタルが敷き詰められたバージンロードをゆっくりと歩んできた私を迎えるのは、祭壇の前に立つ紗和己さんの愛しげな眼差し。
健やかなるときも、病めるときも
喜びのときも、悲しみのときも
これを愛しこれを敬い
その命ある限り
真心を尽くすことを誓いますか
荘厳に響く神父さんの言葉にふたりで誓いを交わし、マリッジリングを交換した。
お互いの指に填め合ったのは証し。
その命尽きるまで愛を誓うと
貴方に、神様に、誓った。
「愛してます、美織さん」
私のベールを上げた紗和己さんが、小声で囁く。
ありがとう、紗和己さん。
私を愛してくれて、ありがとう。
私と出会ってくれて、ありがとう。
一緒に恋をしてくれて、ありがとう。
ありがとう。ありがとう。
愛しさと感謝で満たされ過ぎて、声にならない。
それでもきっと、紗和己さんはこの想いを受けとめてくれたと思う。
彼の瞳が、私と同じ色にゆるりと潤んで
誓いのキスが交わされた。