腕枕で眠らせて*eternal season*
「一生に一度の結婚式です。頑張ってふたりで目一杯ワガママ言っちゃいましょう」
そう言った紗和己さんとふたり、限られた時間と予算の中で一生懸命、理想の結婚式を探した。
星屑みたいなクリスタルが敷き詰められたバージンロードのチャペルは、一目惚れで選んだ。
天井が高く明るいパーティー会場は、白とピンクとオレンジでコーディネートされまるでお姫様の空間に。
幾つものショップを紗和己さんはもちろん、最後にはお母さんまで巻き込んで巡ったあげく決めたドレスは、ティアードフリルが愛らしく清楚なロングトレーンのドレス。
パーティー用にはプリンセスラインのキュートなチュールレースのドレスと、スパンコールを散りばめたピンクのふわふわ甘口ドレスに決めた。
「最高に綺麗ですよ」
私のドレス姿にとろけそうな目をした紗和己さんだったけど、彼だって負けてない。
細身のパールホワイトのフロックコートも、お色直しのネイビーブルーのタキシードも、もともとスタイルが抜群に良い紗和己さんにそれはそれは似合っていて。
試着のとき、あまりのカッコ良さに私は直視出来ないほどだった。
ホワイトローズとブルーローズのブーケに、クリスタルとフェザーの着いたシューズ。ネイルはパールホワイトとサムシングブルーでピュアなイメージ。
ぴかぴか、キラキラ。
少しずつ出来ていくふたりの結婚式。
なにもかもが素敵で嬉しくって。
日々出来ていく幸せの準備に、心踊る私にもうひとつ、とびっきりの申し出が舞い込んできた。