腕枕で眠らせて*eternal season*



「美織、こないだヘアアクセまだ決めて無いって言ってたよね。良かったら私からプレゼントさせてくれない?」


そう言った佐知が翌月持ってきてくれたのは、虹色に煌めくクリスタル硝子で出来た花嫁用のティアラだった。



「…佐知…!」

「私と旦那の合作。どう?なかなか上出来でしょ?」

「すごい…スゴいよ、佐知!綺麗でスゴく嬉しい!!」


ティアラがあまりにもキラキラと美しくて。
佐知の気持ちが胸が震えるくらい嬉しすぎて。

うるうると涙目になってしまった私の頭を、佐知は嬉しそうにポフポフと撫でて言った。


「当日はこれ着けて今までで一番幸せな笑顔見せてよね。楽しみにしてるから」



ずっと私の友達でいてくれた佐知が、造ってくれた。

私が泣いた時はいつだって励まして慰めてくれた佐知が、贈ってくれた。

私の恋を、幸せをずっと応援しててくれた佐知からの、最高のプレゼント。


嬉しい。嬉しい。

ありがとう、佐知。
大好き。大好き、佐知。


「佐知…ありがとう、大好きだよ。これからもずっとずっと友達でいてね…」

「あーもー、美織ってば今から泣いてどうすんの。あんたってホント泣き虫。
こんな泣き虫、私が放っとけるワケないんだからずっと友達に決まってるでしょ」


そう笑った佐知の目にも涙が潤んでいて。

私達は泣き笑いを零しながら、ぎゅっと温かい手を握り合った。



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