腕枕で眠らせて*eternal season*
「…すごいなあ…」
紗和己さんの仕事ぶりが一目で分かる部屋の光景に、感嘆のため息が零れた。
きっと。これなんだ。
とっても働き者の紗和己さん。
なのにマメで家事もこなしちゃって、私を溺愛する時間も忘れない。
……紗和己さんは、頑張ってる。
ちょっと心配になってしまうぐらい、毎日。
彼に言わせればどれも好きでやっている事なんだろうけど……でも。
―――私…もっと彼を支えたいよ。
立ち竦んだまま見た書斎の光景に、キュッと胸が痛んだ。
上手く言えない。
心も身体も重なって、毎日生活を共にしてるのに、まだ足りないの。
もっと貴方に寄り添いたい。
貴方の背負ってるものを私も分かち合いたい。
彼の仕事に私なんかが軽々しく踏み込めない事は分かってる。
じゃあ他に何が出来る?
家事を全部請け負う?それで紗和己さんはいい顔するのかな?
違う。そうじゃないはず。
上手に答えの出てこない頭を抱えながら、私はそっと書斎から出ると、再びペタペタとスリッパを鳴らしながらリビングへと戻って行った。