腕枕で眠らせて*eternal season*
―――私の好きな男は
ぶん殴ってやりたいほど、“優しい”。
「英語と…ああ、独語も出来るんですね」
私の履歴書を見ながら、わずかに微笑んだ顔を見て
(うわ、この男イケメンだわ)
そう思ったのが第一印象だった。
1年間勤めたセレクトショップの販売員を辞めたばかりの私は、求人誌の『今秋OPEN 雑貨店店長募集 販売経験者、英会話出来る方、優遇』と云う情報に惹かれ面接へとやってきた。
面接会場はまだ内装工事の終わりきってない店の事務室。
そこで私を待っていたのは、予想よりずっと若い男の経営者だった。
椅子が低く見えるほどの長い足。若いのにスーツの着こなしが異常に良い。つまりはスタイル抜群。おまけに
「独語が出来るのは頼もしいですね。そっち方面の雑貨を多く取り扱う予定なんで」
そう言って、こちらを向き目を細めた笑顔は大抵の女ならノックアウト出来そうな甘いマスク。
一般人にしておくのがもったいないほどのルックスに密かに感心しながらも
(でも好みのタイプじゃないな…)
なんて、勝手な事を考えていた。