ペラルゴニウム〜世界で一番君たちを〜
救急車を呼ぶなんてそんなこと頭の片隅にもなくて。
長男と次男を連れて小児科まで車を走らせた。
雪が凍結して滑る道のりを20分。
息をしていないんじゃかいかと思うくらい静かに眠る長男の手を、ただただ握った。
病院で処置をされているとき、待合室に響いた長男の叫び声。
オロオロと待合室で待つしか出来ない自分がもどかしかった。
医師に話を聞いた時、安心と共に涙が止まらなくてーー
酸素マスクをつけて、目を細めて私を見る長男に「良かった…頑張ったね」と声をかけることしか出来なかった。
赤ちゃん返りと、キーキー声で泣き叫ぶ長男に嫌気がさして突き放したことも多々あった。
声を出して長男に伝えた。
「ごめんね」と。