狼さんと一緒。
ふわっ・・・




柑橘系の香りが鼻を掠める






「一人で泣くな」


霧咲がアタシを抱きしめている。

でも、先輩の時のよぅな抵抗はなくて・・・


その温もりは

ただただ安心するものだった。



「あっ、アタシ・・・っ」

「無理すんな。今は大人しく泣いてろ」





あぁ・・・


暖かい。




とくんっ


心臓が弾む。



ねぇ、なんで?

なんで急に優しくするの・・・?



『堕としたくなった』

それだけなんでしょう?




あぁ・・・

アタシ、もぅ・・・




『堕とされちゃった』んだ。















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