狼さんと一緒。

スキ、大スキ。

「し、信じられない・・・。」

「あ?何がだよ」



アタシは一人頭を抱えていた




なんてことだ。

こんな破廉恥でキケンな狼に

泣いている姿=痴態

をバッチリ見られてしまったのだ。




「あの・・・、今の出来事を忘れるって事は?」

「できねぇ」

「ですよね・・・(苦笑」




この人なら絶対に

今日のアタシの痴態を

毎日のようにいじる事だろぅ・・・。


確信した。





「オマエ、人頼らなそぅだから」

「え?」

「俺が忘れちまったら、頼る奴いなくなんだろ」




真っ直ぐな瞳がアタシを捉えている


吸い込まれそうなほどに綺麗で

さすがは学校一のモテ男である。




霧咲って根は優しいのかも・・・。




「つか、忘れたらいじめれなくなるしな」



ヘラっと笑っていった霧咲。






あぁ、アタシはなんて馬鹿なんだろう。

アタシだけにかも、なんて思った自分が馬鹿みたいだ。





コイツは学校一のモテ男。

そして、遊び人だった・・・


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