10年後のクリスマス…あなたに会いに行きます

風間潤平と友達として付き合い始めて、2ヵ月が過ぎた。



潤平が塾の帰りにコンビニに寄ってくれて、二人で自転車で家まで帰る関係だ。



潤平は東京の大学へ進学する事を決めていた。



私はこの街に残るから、私たちの関係はそれまでだ。



潤平も分かっていてもその事は口にしなかった。



私はこの曖昧な関係で充分幸せだった。




潤平がどう思ってるかは怖くて聞けなかった。



そして、潤平の東京の大学へ進学が決まり、私も地元の銀行に就職が決まった。



二人で過ごす最後のクリスマスは、私から遊園地に誘った。



潤平の笑顔を見たかったから。



潤平の笑顔を胸に焼き付けておきたかった。



最後のクリスマス、遊園地デートの観覧車の中で、生まれて初めてのキスをした。



私たちに未来はないのだ。



でも、潤平に出会えて本当に良かった。



初めての恋の相手が潤平で良かったと思う。



後、少しの時間を大切にしようと思った。





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