不器用な恋
だんだん、時間が経つにつれ、顔が真っ青になっていく。


「……かかかかかかかかか、花憐、さんのか、顔を、見るの、は、はははははは初めて、だよね?」


光さんは、やたらとどもっている。


どうしたんだろう…。
仕草も、何だか挙動不審。


初めて…そうだったかな?


そういえば、おばけ屋敷の中だったし、それ以外は、私…俯いてばかりだったから。


そう言われてみれば、そうかもしれない。


「それよりも、光さん。さっきの話の続きは…」


“君に惹かれて”って、言ったよね?…私に……、まさか。


「え!あああ、そうだったね!え、えっと…」


明らかに、光さんの様子がおかしい。


「こ、子供の頃、お世話になったよね!」


「え?」


「ま、枕もとにプレゼントを置きに来てくれただろ?サンタさんと一緒に!!」


「そ、そうでしたっけ?」


「鼻が赤くて、さぞやサンタさんのお役に立ったんだろうね」


光さん、何を言っているんだろう、と首を傾げていた。
光さんの顔には、汗がだらだらと流れていく。
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