姫君のキミと。

南魅


バンッ


「南魅!」




開けると
姫様が立っている



「何よ」


あり得ない程無愛想で
人見知りで、低血圧な南魅


彼女は俺の女


「何で先に行くんだよ!」


「アタシの勝手よ」


「お前なぁ!
一々ムカツクんだよ!」


それを聞いた南魅の
額に青筋が立った


「はぁ?
何よ、それ」


やばい


南魅が怒ると


バンッ


・・・・・ホラな



「っ!!
まーたお前かっ
こっの・・・・!」



どんな時でも
南魅の喜怒哀楽を
感知し、飛んでくる
異常なまでのシスコン男

もとい、南魅の兄
辰美


「・・・・・・。
夾がうるさいの」


そして南魅も
辰美にだけは心を
開いていて
いつも俺を退ける
道具として使う



「またか!
まったく、南魅が
可哀想だろ!
近付くな、泥棒!」


でも


「追い出す必要はないわ」



ホラ


お前はいつも
ツーンとしてるクセに
俺を助ける甘えた



いわゆる、ツンデレ


「・・・・・・・。」

辰美はウルウルとした
瞳を輝かせながら
背中を丸くして
部屋を出た



「・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」



お互い無言だけど
こんな空間がいいんだ


と南魅は言ってた

まぁ俺も
こんな感覚が好きだ






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