甘いキスと蜜の味【本編完結】

A学院を卒業して

2ヶ月後経った5月上旬。

私の19歳の誕生日に

天城京太朗先生と私は

市役所に婚姻届を提出。

入籍を済ませ、夫婦になった。

私は天城先生の戸籍に入り

花村光華から『天城光華』になった。


高校時代に通っていた

アルバイトを辞め

担任や進路指導教諭の田中先生から

在学中に何度も説得されたけど

私は大学、短大などへ

進学する事なく専業主婦となった。



天城京太朗先生の妻として

朝早起きして

京太朗さんのお弁当を作り

朝食を食べさせて

玄関で行ってきますのキスをして

見送った後

私もササッと朝食を済ませ

洗濯、掃除、買い物、食事作り。

週1回の料理教室とエアロビクス通い。

それ以外は自宅にて

時間の許す限り

通信講座で勉強する毎日を送っている。


りっちゃんからは勿体ないと

今でも会う度に言われるけど

進学しなかった事に後悔はない。

京太朗さんも

『光華の好きにしたらいい。』

と、言ってくれていた。

だから私は

天城京太朗先生の元へ

永久就職する道を選んだ。


勿体なくなんてない。

母子家庭で家事は小さい頃から

やっていたから苦にはならない。

料理教室やエアロビクスや

通信教育も楽しい。

忙しい京太朗さんを支えるのも

私の大事な仕事。

『苦労させない。
一生俺は光華を大事に養えるように
この仕事で頑張るから。』

そう言ってくれる

京太朗さんの愛に包まれて

甘やかされているようで

京太朗さんには感謝してもしきれない。











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