甘いキスと蜜の味【本編完結】
HR終了直前

「…日直の花村。
後で、ここに置いてある
数学の宿題を数学準備室まで
持ってきてくれ。
じゃあ、今日はこれで終了だ。
お前達、新学期の為に
数学の予習復習しとけよ。」

天城先生はそう言って

サッサと教室を出て行った。

私は愕然とした。

えっ!?私が…なぜ?

確かに今日は日直だけど

普段、集めた宿題等を

担当教諭の元まで持って行く

集配係は別にいる。

なのに、なぜ私が持って行くの?

私…これから行く所があるのに。

でも、以前

天城先生に反抗した子がいて

後々可哀想な目に遭っていたのを

見ているし、知っている。

逆らえないし、あの先生の事を

わかりつつある子達は

おとなしく程よい距離感で

接しているようにしているから

逆らう子なんていない。


…仕方がない。

パッと渡したら

すぐに行けば間に合うかもしれない。

バッグを斜めにかけながら

手伝いを申し出てくれた

友人のりっちゃんに

「いいよ、いいよ。
彼氏さん、校門で待ってるんでしょ?
早く行ってあげなよ。」

と、言って断った私は

集まった宿題を持って教室を出ると

3階にある数学準備室へと向かった。

















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