揺れる恋 めぐる愛
それから……

やっと律動を刻み始めた。


これでもうじき終わるはず……

でもその考えは甘かった。

奥まで抉られると思えば、浅く途中で留まって物足りなさに……

なぜなのか戸惑う。

躰を揺さぶられるモノに感覚の全てが集中して

息を荒げ、無心に啼かされ続けた。


身も心も押し開かれ暴かれ晒され続ける……

えも言われない快感は

今までのものとは全く違う代物で……

自分を保つことができなくなっていた。

自分と相手の境目が……

私という輪郭が……

曖昧になる。


それからはただ男の躰にしがみつき、

与えられるモノに乗っ取られそうになる自分を

なんとか繋ぎ止めるのがやっとだった。


この私が……

まさかセックスごときに我を失い、溺れ、叫ぶなんて……

波を打ちながらも確実に駆け上がっていくような感覚。

その合間に突如襲う刺すように脳髄を突き抜けるような快感。

文字通り目が眩む悦楽の中、知らないコトに覚醒させられていく自分に脅えた。

全身の血が沸騰して心臓がこれでもかとバクバクし、

肉体がドロドロに蕩けてこの場に熔けて朽ち果ててしまいそうだった。

まるで他人の躰のように予測不能の反応にただただ掻き乱され流される。

< 4 / 110 >

この作品をシェア

pagetop