揺れる恋 めぐる愛
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ベッドのそばに腰を下ろし、眉間にしわが寄り、
温かいその頭をゆっくりと何度も撫でつける。
全く……
らしくない。思うようにならない。
どうにも……
イライラする。
不埒な衝動はがっつりと抱えているのに、
それを隠しながらもどうしてかこんなことをしている自分。
もう一緒に働くことはないのだろう……
それなのに偶然なのだろうか?
なぜか視界の端に入ることが多かった。
エレベーターのドアが閉まる時、帰りだろう時間に足早に歩く後ろ姿。
無視すればいいものをつい、気持ちが追いかけようとする。
それを目だけにとどめ、知らぬ顔で仕事をしていた。
単調な動きで考え事をしていると、撫でていた俺の指先に何かが触れる。
熱いそれが指だとわかり、ああ、そうか
辞めろと言っているのだろうと、手の動きを止めると
そっと伸びてきた掌を重ねられ
「せんぱい……」
その言葉で、少しイライラしていた胸に黒いものが一気に広がる……
身代わりはもうたくさんだ。
俺自身を見て欲しいとどれだけ願ってもかなわない。
重ねられた掌の力が抜けたのを見計らってそっと掛物の中に戻した。
このままここにいてもどうしようもない……
俺は立ち上がり、とりあえず買い物に出た。
ベッドのそばに腰を下ろし、眉間にしわが寄り、
温かいその頭をゆっくりと何度も撫でつける。
全く……
らしくない。思うようにならない。
どうにも……
イライラする。
不埒な衝動はがっつりと抱えているのに、
それを隠しながらもどうしてかこんなことをしている自分。
もう一緒に働くことはないのだろう……
それなのに偶然なのだろうか?
なぜか視界の端に入ることが多かった。
エレベーターのドアが閉まる時、帰りだろう時間に足早に歩く後ろ姿。
無視すればいいものをつい、気持ちが追いかけようとする。
それを目だけにとどめ、知らぬ顔で仕事をしていた。
単調な動きで考え事をしていると、撫でていた俺の指先に何かが触れる。
熱いそれが指だとわかり、ああ、そうか
辞めろと言っているのだろうと、手の動きを止めると
そっと伸びてきた掌を重ねられ
「せんぱい……」
その言葉で、少しイライラしていた胸に黒いものが一気に広がる……
身代わりはもうたくさんだ。
俺自身を見て欲しいとどれだけ願ってもかなわない。
重ねられた掌の力が抜けたのを見計らってそっと掛物の中に戻した。
このままここにいてもどうしようもない……
俺は立ち上がり、とりあえず買い物に出た。