揺れる恋 めぐる愛
先輩がうちに来てから2か月……

研修が終わってから、週に2、3回はメールをした。

週末には電話で話したりもした。


体調の悪かった先週……

先輩は突然出張に行っていて、だいぶ良くなった時に電話で話して、

「何もできずにごめんね」

と何度も謝ってくれた。


メールや電話をするのが苦手な私にしては、

よく連絡を取った方だと思っていたし、

私をよく知っている先輩も、今までより接触する機会を

増やした私の努力を喜んでくれていた。


ただ学生の時よりどうしても一緒にいる時間が極限に少ない。

私と離れて数か月先輩は何か変わったのだろうか?

私も何かが変わっただろうか?

私と先輩との関係は?

どのように遠距離を両立したら上手くいくのだろうか?


夜中にくすぐったくて目が覚めた。

先輩に優しく背中から包まれるように抱きしめられて、

顎が頭の上に乗る。

「のの」

上から耳をくすぐる暖かな言葉。手は髪を撫でる。

「どうしたら、ののが僕の所に戻ってくる?

どうしたら、ののは僕のものになる?」

甘い言葉に含まれる……

残酷な色。

「私はいつでも先輩の所に戻ってくるよ。

私は先輩の……

蓮さんのものにしかならないよ」
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