2+α〜san〜
3月12日


僕は北海道にいた


大学進学で上京してからも、この日だけは毎年ここに帰ってきていた




3月の東京は暖かく、もぅすっかり春といった感じだったが、北海道はまだ涼しく、所々雪も残っている




昔は当たり前だったその感覚が、今では非日常的に感じてしまうのだから、自分もすっかり向こうの人間になったのだと感じた






きっとこのまま月日が経っていけば、もっともっと田舎の感覚を忘れていくのだろうか




そう思うと少し寂しい感じがした








でも、自分はそんな風に感じながらも、心のどこかではそれを望んでいたような気がした
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