2+α〜san〜
大学を卒業し、4月から東京で働く自分にとって、この先3月12日に帰ってくるのは難しくなる


簡単に仕事を休むわけにはいかない


それが社会人になるということでもある




だからこそ、僕は今年を最後にしようと決めていた



自分の人生での一区切り



それが今日

3月12日




もし彼女が

さゆりが生きていれば今日、3月12日は彼女の22回目の誕生日でもあった




そして皮肉にも

彼女が死んだのも今日


3月12日


そう


毎年この日に帰ってくる理由


それは彼女の命日だからである


彼女のことを忘れないように





僕は墓参りをした後

いつもの場所に向かった
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