モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~

雪遊びで濡れて、
すっかり冷たくなった手に
朔夜様の温度は
とっても気持ちいい。

「こんなになるまで
夢中になって。
まったく、こまった子ですね。」

そう言われてふわりと
体が浮いたかと思うと、
わたしの体は朔夜様の
腕の中にすっぽりと
おさまった。

「さあ、早く中に入りましょう。
姫乃もおまえが風邪を
ひかないかと気が気じゃない
ことでしょうから。」

「はい、朔夜様。」

そうして、抱っこされたまま、
わたしはお城に連れて行かれる。
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