モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~
「日に日にクオリティが
上がっていくね。」
滅多に姫乃以外のものを
褒めたりしない凍夜でさえ、
おもわず感嘆の呟きを
もらす作品。
「うーん。一体誰に似たのかしら?
お父様もお母様も、こういうの
得意じゃなかったと思うんだけど。」
「キミじゃないことは確かだけどね。」
「…悪かったわね。でも、
ここまでじゃなくても、
雪うさぎぐらいわたしだって
つくれるんだから。」
むぅっと膨れる姫乃に
凍夜がかがみこんで
両手ですくった雪を手渡した。
「採点してあげるよ。ほら。」
そう言われれば、ちょっとした
啖呵を切った手前断れない
姫乃は膨れたまま雪を握り始める。