モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~
父である先代モルゲンロート伯爵は、
最愛の妻の不治の病という現実に
狂って、妻と二人の子息を殺害し、
自害したと公式には
記録されていた。
それが事実と異なることを知るのは、
今は亡き父と生き残った
二人の息子に、
父の右腕だった執事。
そして、父に信頼を置いていた
当時のチェーニ国王の5名。
伯爵夫人を殺害したのは
長男の凍夜・モルゲンロートという
母親殺しの事実を隠ぺいするために、
父は国王の助言のもと、
汚名をかぶって
自害した。
ノークス・モルゲンロートという男は、
書類上、祖父の傍系の親類、という
扱いになっている。