love letter~章吾~
「あっ、ここ良さそう! ねぇ、ここにしようよ」
途切れ途切れで思い出す、親父のビデオの内容。
頭の中が『ソレ』でいっぱいだった俺。
成美がはしゃぎながら、俺の服の裾を引っ張る。
「『アクアルーム』???」
透明感のある部屋の名前。
名前の通り、水色で統一された部屋の写真が目に入る。
写真のスミには、熱帯魚のリアルな映像を映し出すアクアリウムが写っていた。
「値段も手頃だし。行こっ!」
「あ、あぁ」
やべ……。
すっげー緊張してきたし……。