love letter～章吾～

４．

＊馬鹿は馬鹿

夏休みも残り一週間。

成美とはほぼ毎日のように会っていた。


でもさ。

いつもキス止まりで、それ以上、先に進むことはなかったんだ。


成美が、止めているんじゃない。

俺が止めているんだ。



初めてラブホに行った日。

俺は家に帰るなり、ソッコーで親父のビデオで『予習』した。

中学生の妹が大切にしている、巨大なぬいぐるみを相手に『練習』もした。


準備万端。いつでも来い！

そんな気持ちだったのに、いざ成美とそういう雰囲気になると、やんわりと断る自分がいるんだ。