love letter~章吾~
成美を嫌いになったわけじゃない。
好きだという気持ちもある。
それなのに俺は、成美を抱くことができないんだ。
結局、先に進めないままで夏休みは終わってしまって……。
成美は俺に対して失望するどころか、いつもと同じ笑顔で俺を受け入れてくれるんだ。
二学期が始まり、またいつもの学校生活。
休み時間ごとに、俺のクラスにやって来る成美。
聡は休み時間になるといつも、窓側の尾関の席へと行く。
「二年生になったら同じクラスになりたいなぁ」
楽しげに話している聡と尾関を見て、成美が羨ましそうに呟く。