love letter~章吾~
「あたし、そろそろ戻るね」
「あぁ。帰り、いつもの所で……」
「あっ、ごめん! 今日は友達と買い物に行く約束していて……」
顔の前で両手を合わせ、成美は申し訳なさそうに言う。
まぁ、友達付き合いも大事にしないとな。
俺は笑って「分かった」と言うと、教室を出る成美に手を振った。
「うぃーっす、章吾ちゃんっ」
成美が教室を出てすぐ、尾関と一緒にいた聡がやって来る。
成美と付き合うまで、休み時間の聡の定位置だった俺の前の席。
そこにどっかりと腰を下ろすなり、聡はにやにやしながら俺を見る。
「……なんだよ」
「いや、さぁ。幸せだなぁーって思ってよ」
「はぁ? なに言ってんだ?」