love letter~章吾~
緩みきった聡の顔に、思わず眉間に皺を寄せる。
「夏休みはさぁ、由香と毎日デートして……」
「………」
「夏休みの最終日は、一緒に花火してさ」
「へぇ……」
夜に一緒に花火ねぇ……。
真っ暗闇のなか花火で浮かび上がる尾関の顔なんて、幽霊以上に恐怖を感じるぞ。
「そのあとさ……」
聡はそう言いかけて、俺の顔を下からじっと覗きこむ。
「なんだよ」
「聞きたくね? 花火のあと、何したか」
「………」