love letter~章吾~
*短い恋愛ごと*
学校からの帰り、いつもと同じように成美と肩を並べて歩く。
いつもは楽しい話題を次から次に持ち出す成美だけど、今日は尾関との一件があったせいで、口を閉ざしたままだ。
「尾関になにを言われたんだ?」
落ち着いて話そうと、成美の家の近くの公園に行く。
ベンチに腰を下ろして俺が切り出すと、成美はうつむいたまま答えた。
「章吾くんと別れてって。それだけ……」
「……いきなりそう言われて、殴られたのか?」
「……うん」
あの尾関からは想像もできない行動。
確かに、成美は尾関に殴られたし、尾関が成美にむかって「別れて」と言い放ったのを俺も聞いている。
だけど……。
あいつは、いきなりそんなことをするようなヤツだったか?