love letter~章吾~
最初に気づいたのは、俺の隣にいた聡。
「成美ちゃんだ」という聡の声に、俺と成美の目が合った。
隣のクラスだというのに、あの日以来、成美とは顔を合わせていなかった。
遠巻きに成美の後ろ姿を見かけることはあったけれど……。
まともに目が合った瞬間、
成美はひどく気まずそうな顔をして、俺からぎこちなく視線をそらした。
つられて、俺も思わず視線をそらす。
「……わりぃ」
成美の存在を、つい口にしてしまった聡がすまなそうに謝る。
「ばーっか。おまえが謝るなんて気持ち悪ぃぞ」
気まずい空気を壊すように、俺は聡の横っ腹を思い切り肘で突いた。