love letter~章吾~
――ガコンッ!!
苛立ちをぶつけるようにして自販機のボタンを押す。
俺の気持ちに応えるかのように、コーヒーが大きな音をたてて出てきた。
「……クソッ」
プルタブを開け、渇ききった喉にコーヒーを流し込む。
一気飲みに近い状態で、小さな缶のコーヒーを半分以上飲んだあと、俺は大きく息を漏らした。
こういうのを溜息っていうのかな。
いや違う。溜息をつく理由なんかないし。
さっきまであんなにも苛立っていたのに、コーヒーを飲んだ瞬間に落ち着きを取り戻す。
なんであんなにイライラしていたんだ?
一体、なにに、対して――?