love letter~章吾~
売店の外に設置された自販機。
その横にあるベンチに腰を下ろす。
ふと空を見上げると、薄紫の空に星が少しずつ顔を出し始めていた。
空に星が集まってくるのをぼんやりと眺めていると、ポケットに入れた携帯のバイブが響いた。
「もしもし?」
『あっ、笠原! どこにいるんだよー、早く戻って来いー』
電話の相手は同じクラスのヤツ。
文化祭でやることになっていたカフェ。
教室前に設置する看板作りをやっている最中だったっけ……。
怒り口調のそいつに「すぐ行く」と告げると、俺は空になったコーヒーの缶をゴミ箱に投げ入れて教室に向かった。