love letter~章吾~
「あー! サボリ魔の笠原っっ! おまえ、こんなとこで何やってんだよ」
呆然と立っていた俺の背後から、いきなり大きな声が聞こえてくる。
さっき売店でコーヒー飲んでいた時に、電話をかけてきたヤツだ。
そいつの大きな声に、聡と尾関が驚いた顔で俺の方を振り返る。
柱の影に隠れていた俺と目が合った。
尾関は真っ青な顔をしていて……。
聡は「やっべー」という顔つきだ。
「あー、すぐ行くから」
「おまえ、逃げんなよ」
「うっせーよ」
渋々と教室に戻っていくヤツの姿を確認してから、俺はゆっくりと二人のそばへと近づいて行った。