love letter~章吾~
「俺と由香が付き合っていて、おまえ、何とも思わなかった?」
「……別に。むしろ、せいせいしたよ」
「そうか」
聡が俺の肩から手を外す。
大きな溜息をついた聡は、今度は尾関の方に近づいて行った。
そして尾関が握っていた携帯を取り上げる。
携帯を取り上げられた尾関は、ひどく焦った様子で、奪い返そうとする。
だけど、背の高い聡は、尾関がどうやっても取れないように奪った携帯を高々と掲げた。
そのままの姿勢で、携帯のボタンを押し始める聡。
「おい、なんだよ……」
聡の行動が理解できない俺は、眉間に皺を寄せる。