love letter~章吾~
「そうだな、ネタバレするんだったな」
含み笑いをする聡の後ろで、尾関は焦ったように落ち着きのない様子だ。
「俺と由香の間に、恋愛感情なんかないんだよ」
「―――はっ??」
「由香は、おまえのことをまだ好きなんだよ」
言われて、咄嗟に尾関をにらむ。
このバカ女……!
やっぱり下心があったのかよ!
俺ににらまれた尾関は、すでに半べそ状態だ。
聡はそんな尾関を隠すように、ほんの少し体をずらした。
「由香は悪くねぇよ。俺が無理やり付き合おうって言ったんだから」